2013年05月04日

『第55回全日本こけしコンクール』開催!

名工のこけし一堂に コンクール開幕 白石
 全国最大規模のこけしの祭典「第55回全日本こけしコンクール」(宮城県白石市など主催)が3日、白石市のホワイトキューブで始まった。5日まで。

 最高賞の内閣総理大臣賞を受賞した黒石市の阿保六知秀さん(63)の津軽系伝統こけし「くびれだるま絵10号」をはじめ、全国のこけし工人延べ179人が出品した計880点を展示。会場では阿保さんら各系統の工人がこけしの実演販売を行い、来場者と交流した。

 第55回の節目を記念し、3日は高さ5.5センチのミニこけし55本組セットを5万5000円で10セット販売。こけしの絵付け体験会や写真展、地場産品まつりなども開かれている。

 開会式で、大会会長の風間康静白石市長が「1人でも多くのこけしファンが誕生することを願う。白石、宮城の伝統文化を堪能してほしい」とあいさつ。展示、即売両会場にそれぞれ一番乗りした来場者2人に記念のこけしが贈られた。

◆2013年は55回大会となる。地元、弥治郎系こけしをはじめ、全国で製作されている伝統・新型・創作こけし、木地玩具、ロクロ応用製品のコンクール審査、作品の展示、販売が行われる。各系統の工人による「実演販売」、こけしを題材とした一般応募による「写真コンクール」、自分のオリジナルこけしができる「こけしの絵付け体験」など多数のイベントがある。併催される白石市地場産品まつりでは、温麺(うーめん)、清酒、木工品など白石の特産品が一堂に会し、即売される。


『第55回全日本こけしコンクール』開催!
  全日本こけしコンクールは半世紀を越えた歴史あるイベントです。
  会場には伝統・新型・創作など、ここでしか見られないこけしが
  全国から一堂に会します。
  表情が豊かで愛らしいこけしたちに会いに来ませんか?
     開催期間 5月3日(金)・4日(土)・5日(日)
     開催時間 午前9時から午後5時まで
          ※3日の審査品一般見学は午前10時からとなります。
     開催場所 ホワイトキューブ

【お問い合わせ先】
     全日本こけしコンクール事務局(商工観光課内)
     〒989-0292 宮城県白石市大手町1番1号 白石市役所2階
     電話番号:0224-22-1321
★こけしとは、江戸時代末期(化政文化期)頃から、東北地方の温泉地において湯治客に土産物として売られるようになった轆轤(ろくろ)引きの木製の人形玩具。一般的には、球形の頭部と円柱の胴だけのシンプルな形態をしている

概要

こけしは、伝統的な形式に則った『伝統こけし』と、これを模倣した『新型こけし』に大きく分かれる。『伝統こけし』は産地・形式・伝承経緯などにより約10種類の系統に分類される。他方『新型こけし』には、工芸的な「創作こけし」と、東北に限らず全国の観光地で土産品として売られている「こけし人形」がある。

本来の玩具としてのこけしは、幼児が握り易いよう頭部と胴体部との接続部(首)が細く、また、胴体も子供の手で握れるような直径であった。このような玩具こけしは、キューピーなどの新興玩具に押されて大正期には衰退し、転業休業する工人も増えたが、一方で大正のころから趣味人が好んでこけしを蒐集するようになり、子供の玩具から大人の翫賞物として作り続けられた。東京、名古屋、大阪にこけしを集める蒐集家の集まりが出来て、一時休業した工人にも再開を促し、かなりの作者の作品が幸いにも今日まで残ることとなった。

大人はこけしを立てて並べて鑑賞したため、玩具こけしの胴体部の直径では不安定で、収集家にとっては地震の際に倒れて傷付くことが悩みであった。そのため、胴体部の直径を大きくしたり、重心を低くするように工夫されたこけしも現れた。『伝統こけし』と呼ばれるこけしにも、このような時代の要請に応えた変化が見られる。ただし、作並系のこけしは胴体部が細く、全体として小さいという玩具こけしの伝統をよく残している。一方、地震で倒れることを逆手に取り、胴体部底面に埋め込まれた発光ダイオードが本体の傾きに反応して自動点灯する防災用こけしが発売されている[1]。

毎年5月3日から5日まで、宮城県白石市において「全日本こけしコンクール」が開催される。最も優れた作品には、最高賞として内閣総理大臣賞が授与される。また、9月の第1土曜日曜には、宮城県大崎市鳴子において「全国こけし祭り」が開かれ、コンクールや工人の製作実演が行なわれる。

東北自動車道で福島・栃木県境にこけしの絵柄の標識が使用されるなど、こけしがその産地のみならず東北地方全体の象徴とされる例がある。

名称

こけしの名称は、各地によってすこしずつ異なっており、木で作った人形からきた木偶(でく)系(きでこ、でころこ、でくのぼう)、這い這い人形(母子人形説もある)からきた這子(ほうこ)系(きぼこ、こげほうこ)、芥子人形からきた芥子(けし)系(こげす、けしにんぎょう)などがあった。また一般に人形という呼び名も広く行われた。

「こけし」という表記も、戦前には多くの当て字による漢字表記(木牌子・木形子・木芥子・木削子など)があったが、1939年(昭和14年)8月に鳴子温泉で開催された全国こけし大会で、仮名書きの「こけし」に統一すべきと決議した経緯があり、現在ではもっぱら「こけし」という用語がもちいられる。

幕末期の記録「高橋長蔵文書」(1862年)によると「木地人形こふけし(こうけし)」と記されており、江戸末期から「こけし」に相当する呼称があったことがわかる。こけしの語源としては諸説あるが、木で作った芥子人形というのが有力で、特に仙台堤土人形の「赤けし」を木製にしたものという意といわれる。「赤けし」同様、子貰い、子授けの縁起物として「こけし」が扱われた地方もある。またこけしの頭に描かれている模様「水引手」は京都の「御所人形」において、特にお祝い人形の為に創案された描彩様式であり、土人形「赤けし」にもこの水引手は描かれた。こけしは子供の健康な成長を願うお祝い人形でもあった。

その一方、こけしの語源を「子消し」や「子化身」など堕胎や口減らしに由来するものとの説も存在しており、これは1960年代に詩人・松永伍一が初めて唱えたものとされている。しかし、松永以前の文献にはこの説を裏付けるような記述が見られない上、松永自身も工芸や民俗学などの専門知識を持っていなかった、自説の由来について説得力の有る説明が出来なかったなどとされ、その信憑性については出典を含めて疑問が持たれている。 なお、こけしの語源やこけしに至る信仰玩具の変遷について、加藤理が平安時代の子どもを守る信仰人形や東北地方の他の信仰玩具との関係から、「「あまがつ」とその歴史的変遷の考察−宮城県の郷土玩具との関係を中心に−」(日本風俗史学会紀要『風俗』第30巻3号)で詳しく分析・考察している。

発祥の背景

こけしが生まれるには、主に次の3つの条件が必要だったと言われている。1つ目は、湯治習俗が一般農民に或る種の再生儀礼として定着したこと。2つ目は、赤物が伝えられたこと。3つ目は、木地師が山から降りて温泉地に定住し、湯治客の需要に直接触れるようになったこと。

当時の国民の90%を占める農民にとって、湯治とは、厳しい作業の疲れを癒し、村落共同体の内外を問わず人々とのコミュニケーションを楽しむ重要な年中行事であった。太陽暦でいう1月末の一番寒い時期の「寒湯治」、田植えの後の「泥落とし湯治」、8月の一番暑い時期の「土用の丑湯治」など、年に2-3回は湯治を行ってリフレッシュしていたようである。

「赤物」とは、赤い染料を使った玩具や土産物のこと。赤は疱瘡(天然痘)から守るとされ、子供のもてあそび物としてこの赤物を喜んで買い求めた。赤物玩具を作る人のことも、赤物玩具を背負って行商に売り歩く人のことも赤物師と呼んでいた。赤物のもっとも盛んな産地は、小田原から箱根にかけての一帯であり、その手法が江戸の末期、文化文政から天保の頃に東北に伝わった。東北の農民達がさかんに伊勢詣りや金比羅詣りに行って、その途上、小田原、箱根の木地玩具(赤物)を見るようになったのがその契機といわれ、湯治場でも赤物の木地玩具を望むようになった。

こうして3つの条件が揃うと、いままでお椀、お盆、仏器、神器のように白木のまま出していた木地師が、湯治の農民達の土産物として、彩色を施した製品を作り始めるという大きな変化が起きた。原木の得やすい山間で暮らしていた木地師が、山から降りて湯治場に定着し、湯治客という顧客と接するようになり、湯治客のニーズに応えることができるようになったのである。木地師が山から降りたのは、どこの山でも八合目以上の木は自由に伐採できるとされた木地師の特権が、江戸の末期になって各地の論山事件により失われたことが大きな理由であった。 湯治場において求めた赤物こけしは、心身回復と五穀豊穣のイメージが重なった縁起物であり、それを自らの村へと運ぶ象徴的な形象でもあった。それゆえこけしは単に可愛いというだけではなく、逞しい生命力を秘めており、現代においては大人の鑑賞品としても扱われるようになっている。

伝統こけしの系統

伝統こけしは産地によって特徴に違いがあり、主な物は下記の各系統(主産地・県)に分類することが出来る。
土湯系(土湯温泉、飯坂温泉、岳温泉・福島) 頭部には蛇の目の輪を描き、前髪と、鬘の間にカセと呼ぶ赤い模様がある。胴の模様は線の組み合わせが主体。
     詳細は土湯温泉観光協会のHP http://www.tcy.jp/koke-kojin.stm
弥治郎系(白石市弥治郎・宮城) 頭頂にベレー帽のような多色の輪を描き、胴は太いロクロ線と簡単な襟や袖の手書き模様を描く。
遠刈田系(遠刈田温泉・宮城) 頭頂に赤い放射線状の飾りを描き、さらに額から頬にかけて八の字状の赤い飾りを描く。胴は手書きの花模様で菊や梅を重ねたものが一般的、まれに木目模様などもある。
鳴子系(鳴子温泉・宮城) 首が回るのが特徴。首を回すと「キュッキュ、キュッキュ」と音がする。胴体は中ほどが細くなっていて、極端化すれば凹レンズのような胴体を持つ。胴体には菊の花を描くのが通常である。
作並系(仙台市、作並温泉、山形市、米沢市、寒河江市、天童市・宮城、山形)山形作並系ともいう。また山形を独立系として扱う場合もある。 頭頂に輪形の赤い飾りを描き、胴は上下のロクロ線の間に菊模様が描かれる。
蔵王高湯系(蔵王温泉・山形) 頭頂に赤い放射状の手柄を描くが黒いおかっぱ頭もある。胴は菊や桜のほか、いろいろな植物を描く。
肘折系(肘折温泉・山形) 頭部は赤い放射線か黒頭で、胴模様は菊、石竹などが多い。 木地山系(木地山・秋田) 頭部には大きい前髪と鬘に、赤い放射線状の飾りを描く。胴は前垂れ模様が有名だが、菊のみを書いた古い様式もある。
南部系(盛岡、花巻温泉・岩手) 簡単な描彩に、頭がぐらぐら動くのが特徴。
津軽系(温湯温泉、大鰐温泉・青森)温湯系ともいう。 単純なロクロ模様、帯、草花の他、ネブタ模様などを胴に描く。
これらの系統に含まれない伝統こけしも存在する。

入手方法

こけしの入手方法はさまざまである。多くの系統、多くの工人を集めようとすると大都市のこけし専門店やこけし会、あるいは全国イベントで入手することが得策である。
こけし専門店
民芸店
デパートなどの特産展
こけし会
直接工人に注文する
東北旅行などでの土産物屋
イベントでの即売コーナー 「全日本こけしコンクール」(宮城県白石市、5月3日〜5日。最高賞:内閣総理大臣賞)
「全国こけし祭り」(宮城県大崎市鳴子、9月の第1土日。最高賞:文部科学大臣賞)
「土湯こけし祭り」(福島県福島市土湯温泉、4月の第3土日。http://www.tcy.jp/


鑑賞

こけしの鑑賞に絶対的な規則は無い。もちろん作り手(工人)の技量の問題はあるが、自分自身の感性で直感的に良し悪しを感じ取って良い。他人が勧める物でも、表彰などで高く評価されていようとも、自分が気に入らなければ問題外である。こけしを通じて工人の感性と直接的に向き合い、形態が美しいか表情は魅力的か、心に訴えるものがあるか、判断すれば良い。

伝統こけしに関しては、その成り立ちの背景にある東北各地の文化や、時代ごとの変化、各工人の育ちや作品に影響を受けた過程、作品ごとの個性を楽しむことができる。東北という地域を理解する上で大変役に立つであろう。

保存方法

木の工芸品なので、湿気乾燥の影響が少ない環境で、直射日光を避けることが望ましい。汚れた手や汗ばんでいる手でこけしに触れてはいけない。購入時に選ぶため触れることがあれば、手をハンカチ等で拭ってから触れるのがマナーである。通常のこけしは蝋で仕上げしてあるが、それでもできる限り色落ちを避けるために必要なことである。直射日光は色彩と木の劣化を進めるので、避けなければならない。湿度が高低すると、こけしが割れてしまったり、カビが生える原因となる。
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2013年05月01日

「富士山」が世界文化遺産に三保松原を除きとの条件付 世界自然遺産登録への挫折から10年

「富士山」世界文化遺産に 「鎌倉」は不登録 ユネスコ諮問機関が勧告 

 政府は30日、「富士山と信仰・芸術の関連遺産群」(山梨県、静岡県)について、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関である国際記念物遺跡会議(イコモス)が、条件付きで世界文化遺産への登録を勧告したと発表した。勧告を踏まえ、6月にカンボジアで開かれるユネスコの世界遺産委員会で登録が正式決定される見通し。

富士山.jpg

 富士山は、平成23年の「平泉−仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群」(岩手県)以来、国内13件目の世界文化遺産となる。

 富士山は、富士五湖や富士山本宮浅間(せんげん)大社(静岡県富士宮市)、忍野八海(おしのはっかい)(山梨県忍野村)など25件が構成資産。浮世絵で描かれたり和歌の題材になるなど芸術のテーマとしても取り上げられ、神社や自然を一体として名山の景観を形づくっているとしている。

 ただ、「三保松原(みほのまつばら)を除き記載が適当」との条件が付いた。

 「武家の古都・鎌倉」(神奈川県)については、登録にふさわしくないとする「不記載が適当」との勧告がなされた。

 世界遺産はユネスコで採択された「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」に基づき人類の財産として登録された遺産。遺跡や建物が対象の「文化遺産」と重要な自然環境を対象とする「自然遺産」、双方を備えた「複合遺産」の3つがある。国内では文化遺産に法隆寺(奈良県)や姫路城(兵庫県)など12件が登録されている。

◆世界自然遺産登録への挫折から10年。富士山の世界文化遺産登録が30日、勧告された。6月にカンボジアで開かれる国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会で、世界遺産を目指してきた20年来の「悲願」達成が確実となった。

 富士山の世界遺産登録をめぐっては、平成6年に国会で「富士山の世界(自然)遺産リストの登録に関する請願」が採択された。しかし、15年には国の候補地検討会が、ゴミや屎尿(しにょう)対策の不備などを理由に推薦リストから除外。自然の美しさが求められる自然遺産としては国内段階で“失格”とされた。

 そのため両県は、日本人にとって古くから信仰や芸術の対象としてとらえられてきた「文化遺産」としての富士山に注目。山梨県の「忍野八海(おしのはっかい)」(忍野村)や静岡県の「三保松原(みほのまつばら)」(静岡市)など25の構成資産とともに文化遺産登録に向けて、17年末に両県などで「文化遺産登録推進両県合同会議」を結成した。

同会議は翌18年10月には「日本人の精神的なよりどころとなり、外国にも日本の象徴と認識されるようなかけがえのない存在として今日も生き続けている希有(けう)な文化的景観である」とする「暫定リスト素案」を文化庁に提出した。その後、19年に国がユネスコへの登録推薦に向けた暫定リストに富士山を追加。イコモスが昨年夏に両県で調査するなど、静岡県内では世界遺産登録への期待が一気に高まっていった。

 しかし昨年末、イコモスが三保松原を構成資産から除くことを日本側に要求。これに対し、川勝平太静岡県知事は「富士山を見られる場所は富士山と一体であり、信仰の文化がある」として除外を拒否。登録の可否に与える影響が懸念されていた。

 この日の勧告でも「三保松原の除外」が登録への条件として示された。静岡市の観光地を担当する静岡観光コンベンション協会の酒井康之事務局長(61)は「三保松原が外れて世界遺産に登録されても、めげずに富士山の構成資産の一つとしてPRしていきたい」と話している。

◆政府は30日、「富士山と信仰・芸術の関連遺産群」(山梨県、静岡県)について、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関である国際記念物遺跡会議(イコモス)が、条件付きで世界文化遺産への登録を勧告したと発表した。勧告を踏まえ、6月にカンボジアで開かれるユネスコの世界遺産委員会で登録が正式決定される見通し。

 富士山は、平成23年の「平泉−仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群」(岩手県)以来、国内13件目の世界文化遺産となる。

 富士山は、富士五湖や富士山本宮浅間(せんげん)大社(静岡県富士宮市)、忍野八海(おしのはっかい)(山梨県忍野村)など25件が構成資産。浮世絵で描かれたり和歌の題材になるなど芸術のテーマとしても取り上げられ、神社や自然を一体として名山の景観を形づくっているとしている。

 ただ、「三保松原(みほのまつばら)を除き記載が適当」との条件が付いた。

 「武家の古都・鎌倉」(神奈川県)については、登録にふさわしくないとする「不記載が適当」との勧告がなされた。

 世界遺産はユネスコで採択された「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」に基づき人類の財産として登録された遺産。遺跡や建物が対象の「文化遺産」と重要な自然環境を対象とする「自然遺産」、双方を備えた「複合遺産」の3つがある。国内では文化遺産に法隆寺(奈良県)や姫路城(兵庫県)など12件が登録されている。

◆富士山 世界遺産に登録へ
ユネスコの世界文化遺産への登録を目指している富士山について、ユネスコの諮問機関は、「登録がふさわしい」とする勧告をまとめ、富士山は6月にも正式に世界遺産に登録される見通しになりました。
一方、神奈川県の鎌倉については、世界遺産への登録がふさわしくないと勧告したため、登録は難しくなり、文化庁は今後の対応を検討することにしています。

白糸ノ滝や山頂にある山岳信仰の遺跡群など33の名所や史跡で構成される富士山と、鶴岡八幡宮や鎌倉大仏など21の寺や神社などからなる鎌倉について、日本政府は去年1月、ユネスコの世界文化遺産に推薦し、ユネスコの諮問機関「イコモス」が去年8月から9月にかけて現地調査を行うなどして検討してきました。
この結果、「イコモス」は、富士山について、富士山信仰という山岳に対する日本固有の文化的な伝統を表しているなどとして、日本政府が推薦していた静岡県にある三保松原を除くことを条件に「世界遺産に登録することがふさわしい」とする勧告をまとめました。
三保松原を除外する理由について、勧告では、富士山から45キロ離れ「富士山」を構成する一部と見なすことができないことや、富士山との間に防波堤が築かれた地点があり、景観の面で望ましくないことなどとしています。
イコモスの勧告は世界遺産の審査に大きな影響を与えることから、富士山は6月にカンボジアで開かれるユネスコの世界遺産委員会で正式に登録される見通しとなりました。
一方、鎌倉について「イコモス」は、武家政権発足の地であるといった重要性は認めたものの、現存する史跡などだけではその価値の証明が不十分だとして、世界遺産への登録はふさわしくないと勧告し、鎌倉の登録は難しくなりました。
文化庁は関係する省庁や自治体と今後の対応を検討することにしています。.

「イコモス」の勧告とは

ユネスコの諮問機関であるイコモスの勧告は、「普遍的な価値の証明が十分か」、「保全状況は十分か」といった観点から、4段階の評価を示すものです。
最も評価が高いのは「記載」で、世界遺産にふさわしく世界遺産の一覧表に載せるべきだというものです。
過去5回の勧告では、その後の世界遺産委員会で、いずれも正式に世界遺産に登録されています。
次が「情報照会」で、追加で情報を提出させ、翌年以降に再度審査するよう求めるものです。
ただ最近では、情報照会の対象となりながら、その年の世界遺産委員会で登録が認められるケースが目立っています。
3つめが「記載延期」で、現段階では本質的な改定が必要だとして登録を見送るべきとされます。
政府の推薦の段階からやり直しが必要で、再審査を受けられるのは原則、2年後以降になります。
過去には、岩手県の「平泉」が「記載延期」の評価を受けたあと、コンセプトを見直して3年後に再審査を受けた結果、世界遺産に登録されました。
一方、同じ「記載延期」の評価を受けた島根県の「石見銀山遺跡」は、勧告の内容に事実誤認があると異議を申し立てた結果、勧告を覆す形でその年に世界遺産に登録されています。
最後が「不記載」で、世界遺産としてふさわしくないという判断で、世界遺産委員会でもこの勧告内容が確定すれば、原則、再度推薦することもできなくなります。

◆富士山 車の登山者抑制の対策必要
ユネスコの世界文化遺産への登録を目指している富士山について、ユネスコの諮問機関は「登録がふさわしい」とする勧告をまとめ、富士山は6月にも正式に世界遺産に登録される見通しになりました。
山梨県富士吉田市の堀内市長は記者会見で、車で5合目まで行き頂上を目指す登山者を抑制する対策をとる必要があるとしました。

登山者は歓迎する声

1日、富士山の5合目には多くの登山者が訪れ、世界遺産に登録される見通しになったことを歓迎する声が上がっていました。
東京都の男性は「世界遺産になることは、すばらしいことだと思います」と話していました。
愛知県から訪れた20代女性は「けさのニュースで初めて知りました。富士山が後世に引き継がれ、子どもたちも登れる山になってほしいです」と話していました。
同じく愛知県から来た60代の男性は「文化遺産として、今後、富士山の環境問題についてより一層考えてくれればと思います」と話していました。
5合目にある売店の1つを営み、富士山五合目観光協会の理事も務める小佐野昇一さんは「今回の登録という勧告は、ゴールではなく、より責任のあるスタート地点に立ったと思います。今後は地域一丸となって、富士山について考えていきたい」と話していました。


「富士山への信仰分かってもらえた」

今回の世界文化遺産の対象となっている、山梨県富士吉田市の北口本宮冨士浅間神社の上文司厚宮司は「ほっとしています。富士山への信仰というものを分かっていただけたのは、うれしいかぎりです。地元でも富士山が世界一の山だという声が大きくなると確信しています。なお一層、富士山の表玄関を守っていこうという意識を高めています」と話していました。
富士山の山梨県側の吉田口登山道にある山小屋などの施設で作る、富士山吉田口旅館組合の堀内康司組合長は「富士山の信仰などの価値が理解されたことは、うれしく思います。世界遺産登録によって登山者が増えることで、どういった課題が出てくるか、まだ分かりませんが、関係者で議論して対応していきたいです」と話しています。
静岡県富士宮市の須藤秀忠市長は、1日朝、市役所で記者会見を開き、「結果は素直にうれしい。多くの人が来てくれ、街の発展の起爆剤になると考えている。今後は関係する遺跡の保存や世界遺産センターなどを整備して、まちづくりを進めていきたい」と話しました。


富士吉田市長「入山料徴収の導入も」

山梨県の富士吉田市役所では、午前10時ごろから堀内茂市長と幹部職員10人が集まり、今後の対応を話し合いました。
この中で、堀内市長は「富士山は日本の宝から世界の宝に躍進することになる。今後も富士山の環境保全に全力投球で取り組みたい」と述べました。
このあと記者会見した堀内市長は、世界遺産への登録によって登山者の増加が見込まれるなか、車で5合目まで行き頂上を目指す登山者を抑制する対策をとる必要があるとしました。
そのうえで、登山者からいわゆる入山料を徴収する仕組みの導入や、史跡や自然が楽しめる、ふもとからの登山者を増やしていく方針を改めて強調しました。


★富士山(ふじさん、英語表記:Mount Fuji)は、静岡県(富士宮市、裾野市、富士市、御殿場市、駿東郡小山町)と山梨県(富士吉田市、南都留郡鳴沢村)に跨る活火山である。

富士 大石公園.jpg

標高3,776 mの日本最高峰(剣ヶ峰)であるとともに、日本三名山(三霊山)、日本百名山、日本の地質百選に選定されている。また、1936年(昭和11年)富士箱根伊豆国立公園に指定されている[注釈 2]。1952年(昭和27年)に特別名勝に指定され、2011年(平成23年)には史跡に指定された。2013年(平成25年)6月には世界文化遺産(日本の文化遺産としては13箇所目)に登録される見通しである
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